国立民族学博物館(読み)コクリツミンゾクガクハクブツカン

デジタル大辞泉 「国立民族学博物館」の意味・読み・例文・類語

こくりつ‐みんぞくがくはくぶつかん〔‐ミンゾクガクハクブツクワン〕【国立民族学博物館】

大阪府吹田市にある、民族学文化人類学分野に関する博物館大学共同利用機関の一つとして設置され、研究・教育のほか、世界各地の民族資料の収集・展示を行う。昭和52年(1977)開館。愛称、みんぱく(民博)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

共同通信ニュース用語解説 「国立民族学博物館」の解説

国立民族学博物館

文化人類学などに関する調査研究を行い、世界の諸地域の文化について理解を深めることを目的とした世界最大級の民族学博物館。1974年創設、77年開館で、初代館長は民族学者の故梅棹忠夫うめさお・ただおさんが務めた。30万点以上の標本資料を収蔵し、一部を常設展示。海外からも広く研究者を迎え入れている。

更新日:

出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報

精選版 日本国語大辞典 「国立民族学博物館」の意味・読み・例文・類語

こくりつ‐みんぞくがくはくぶつかん‥ミンゾクガクハクブツクヮン【国立民族学博物館】

  1. 大学共同利用機関の一つ。民族学・文化人類学の分野に関する博物館。世界の民族資料の収集・保管・公開および民族学的調査研究を行なう。昭和五二年(一九七七)、大阪府吹田市千里万博記念公園に開館。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国立民族学博物館」の意味・わかりやすい解説

国立民族学博物館
こくりつみんぞくがくはくぶつかん

国立大学法人法に基づいて設置された、大学共同利用機関法人人間文化研究機構構成する研究機関。大阪府吹田(すいた)市の万国博記念公園内に所在する、文化人類学・民族学に関する研究・教育拠点である。1974年(昭和49)に発足し、1977年に開館。2004年(平成16)に法人化され、人間文化研究機構の構成機関となった。英語名はNational Museum of Ethnology、略称は民博。「みんぱく」と表記されることが多い。初代館長は梅棹忠夫(うめさおただお)。

 国立民族学博物館は、博物館機能を有する研究所、資料をデータベース化し蓄積・公開する情報センター、最先端の研究成果を講演会・映画会・ワークショップを通じて社会に還元する市民教育機関など、多様な機能をもつ。また、総合研究大学院大学をもち、文化科学研究科のもと、地域文化学専攻と比較文化学専攻の2専攻が設置され、次世代の専門家の育成に努めている。

 博物館展示は地域展示と通文化展示から構成される。地域展示はオセアニア、アメリカ、ヨーロッパアフリカ、それに日本を含むアジア各地域に分け、衣食住の生活用品を中心に各地域の人々の暮らしがわかる構成になっている。通文化展示では音楽と言語という特定ジャンルを取り上げて、世界の民族文化を通覧する。本館企画展示場や特別展示館では、期間を限って、現代的な問題や最先端の研究成果など個別のテーマを取り上げた展示を行う。これまで「多みんぞくニホン─在日外国人のくらし─」(2004)、「世界の織機織物─織って!みて!織りのカラクリ大発見」(2012)など、ユニークな企画展・特別展が行われてきた。

 また、「ビデオテーク」とよばれる映像アーカイブでは数百本の映像番組を自分で選択して視聴することが可能。その映像を通じて、展示物が実際に用いられているようすを確認することができる。

[落合知子 2018年5月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「国立民族学博物館」の意味・わかりやすい解説

国立民族学博物館 (こくりつみんぞくがくはくぶつかん)

世界の諸民族の資料を収集・保管し,民族学に関する調査・研究を行うとともに,その研究の成果を一般に展示することを目的に,1974年6月に設立された研究機関。制度的には文部省直轄の国立大学共同利用機関の一つとして位置づけられ,民族学の研究センター,情報センターとしての役割を有している。

 大阪の北部,吹田市千里万博記念公園に建設され,77年秋に展示場の一部を一般に公開した。その後,展示場,講堂,収蔵庫などを増築し,83年末現在(以下同じ),建物の延面積は3万8580m2。オセアニア,アメリカ,ヨーロッパ,アフリカ,西アジア,東南アジア,東アジア(朝鮮半島,中国,日本)の各地域の民族文化の展示と,世界の言語,音楽についての展示を行っている。またこの博物館が開発した独自のシステムとして,多数のビデオ,音楽番組の中から見学者が自由に選択して視聴できるビデオテーク(映像・音響自動送出装置)がある。現在,この博物館には国の内外から収集した生活用具や生産用具,祭祀用具など各種の標本資料が約12万2000点収蔵されているほか,民族学関係の図書・文献資料が約20万2000冊,レコード,テープ,フィルムなどの映像・音響資料が約3万3000点保管され,研究や展示の資料としてひろく利用されている。研究活動は五つの研究部に属する60余名の教官を中心とし,それに国内外から招いた客員研究員や館外の多数の共同研究員が加わって行われている。年に数回,国際シンポジウムが催され,海外への研究調査も盛んである。またコンピューターを使っての情報検索や資料分析がすすめられている。研究成果は《国立民族学博物館研究報告》(年4回)および《Senri Ethnological Studies》(不定期)として刊行されるほか,各種の出版物が刊行されている。また〈民博ゼミナール〉などの市民講座も定期的に開催されている。年間の入館者は約50万人。2004年国立歴史民俗博物館,国文学研究資料館,国際日本文化研究センターなどとともに大学共同利用機関法人・人間文化研究機構となった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「国立民族学博物館」の意味・わかりやすい解説

国立民族学博物館【こくりつみんぞくがくはくぶつかん】

大阪府吹田(すいた)市千里にある日本最初の民族学・文化人類学研究のための博物館。1974年設立,1977年開館。約25万点の標本資料が集められ,うち一部を展示。大学の共同利用による研究など研究部門も充実している。初代館長梅棹忠夫。2004年度から国立歴史民俗博物館などとともに,大学共同利用機関法人〈人間文化研究機構〉を構成する機関の一つとなった。
→関連項目梅棹忠夫国際日本文化研究センター吹田[市]千里丘陵総合研究大学院大学

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国立民族学博物館」の意味・わかりやすい解説

国立民族学博物館
こくりつみんぞくがくはくぶつかん

世界の諸民族の生活と文化についての標本と情報の収集,その展示公開を行なう博物館。大学共同利用機関として 1974年に設立され,1977年に開館した。初代館長は梅棹忠夫。展示のほか映像や音響による情報を観客が自由に選択できるビデオテークなどの施設,設備をもち,日本における民族学研究センターとしての役割を担う。収蔵品は標本,映像・音響資料,文献図書など総数 60万点をこえる。六つの研究部・センターに分かれ,これに国内外からの客員研究員が加わった。また,1988年各大学共同利用機関に総合研究大学院大学が創設された際に文化科学研究科が設置され,本格的な研究者養成も始まった。『国立民族学博物館研究報告』など刊行物の発行のほか,講演会や研修会を開くなど多彩な活動を行なう。2004年,大学共同利用機関法人である人間文化研究機構の一組織となり,研究部を改組した。所在地は大阪府吹田市

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本の美術館・博物館INDEX 「国立民族学博物館」の解説

こくりつみんぞくがくはくぶつかん 【国立民族学博物館】

大阪府吹田市にある歴史博物館。昭和49年(1974)創立、昭和52年(1977)開館。略称「みんぱく」。文化人類学・民族学の調査研究、資料の収集・保存、展示を行う。総合研究大学院大学の文化科学研究科を設置する大学共同利用機関。万博記念公園内にある。
URL:http://www.minpaku.ac.jp/
住所:〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
電話:06-6876-2151

出典 講談社日本の美術館・博物館INDEXについて 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「国立民族学博物館」の解説

国立民族学博物館
こくりつみんぞくがくはくぶつかん

世界の諸民族に関する資料収集・研究調査と,その成果を展示・公開する民族学研究博物館。1935年(昭和10)以来の日本民族学会の強い要望と日本学術会議などの勧告にもとづき,大阪府吹田市千里の日本万国博覧会跡地に建設され,77年に開館。国立大学共同利用機関として設立されたが,その後大学共同利用機関となり,博士課程のみの大学院も設置された。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

事典 日本の地域遺産 「国立民族学博物館」の解説

国立民族学博物館

(大阪府吹田市千里万博公園10-1)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域遺産」事典 日本の地域遺産について 情報

事典・日本の観光資源 「国立民族学博物館」の解説

国立民族学博物館

(大阪府吹田市)
公共建築百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android