春帯町(読み)はるおびちよう

日本歴史地名大系 「春帯町」の解説

春帯町
はるおびちよう

上京区新町通下立売下ル

南北に通る新町しんまち(旧町尻小路)を挟んでほぼ二町の町。平安京の条坊では左京一条三坊二保四町と同二条三坊一保一町の東側と、同一条三坊二保五町と同二条三坊一保八町の西側の地で、平安中期以降は中御門なかみかど大路町尻まちじり小路南北の地。二保四町と五町の地は官衙町の「修理職町」の跡地(拾芥抄)。近世初期、町の東は足利義昭の旧二条にじよう城の地。

「沙石集」に「近来勘解由小路ニ、利生アラタカナル地蔵オワシマシケリ。京中ノ男女市ヲナス」とあるが、中昔京師地図によれば中世、この辺りに腹帯地蔵があり、庶民信仰を集めていた。「坊目誌」は天正一三年(一五八五)京極六角きようごくろつかく(現中京区)の南に移し、明治六年(一八七三)廃されたと記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android