両替屋(読み)りょうがえや

精選版 日本国語大辞典 「両替屋」の意味・読み・例文・類語

りょうがえ‐や リャウがへ‥【両替屋】

〘名〙 手数料を取って金銭両替を行なう店。また、その人。江戸時代、両替制度の発達とともに、金銭売買、預金および貸付手形融通、為替取組、金銀の相場立などの金融業務も営んだ。両替屋の名称が初めて公認されたのは、寛文二年(一六六二)といわれる。両替店両替商
※俳諧・鷹筑波(1638)二「鳥井の前に居るかねたたき てんびんのあくまもあらぬ両替(りょうカヘ)や〈一徳〉」

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デジタル大辞泉 「両替屋」の意味・読み・例文・類語

りょうがえ‐や〔リヤウがヘ‐〕【両替屋】

江戸時代、手数料を取って貨幣の両替を行った商人。貸付・預金・手形発行なども扱った。両替商。

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世界大百科事典(旧版)内の両替屋の言及

【手形】より

…【小田 雄三】 江戸時代,手形は都市内あるいは隔地間の貨幣取引,商品の延売買(のべばいばい)における送金や商品代金の支払に用いられるようになった。それは手形発行の担い手である両替屋を中心とした商業信用が,大坂,江戸,京都の3都と城下町を結ぶ隔地間商業を中心とする幕藩制的商品流通の発展とともに進展したからで,手形を使った取引決済は商業技術として一般化した。この時代,手形は両替屋を中心とした信用機構の中で,貨幣を節約する代替物として機能し,商人相互の貸借関係を相殺する絶対的貨幣としての役割を果たすに至ったのである。…

【文政金銀】より

…江戸幕府は1736年(元文1)の貨幣改鋳以来,長期間にわたりほとんど改鋳・増鋳を行わなかったが,文化・文政期(1804‐30)における経済発展や幕府財政の窮乏化に対応して大規模な改鋳が実施された。文政期の改鋳に際して,幕府は1824年大坂で両替屋十五軒組合を組織し,江戸においても両替屋に新二朱銀の引替方を編成し,新旧両貨の交換業務を円滑に行うことができる体制の強化につとめた。【作道 洋太郎】。…

【両替】より

…元来は客が差し出した貨幣と客が望む他種の貨幣とを交換することをいう。また有価証券や米,特産品など他の物と貨幣を交換することや,両替制度の整備に伴いそれにかかわる当事者,すなわち両替屋を指す場合もある。したがって,広義には両替屋の業務内容をも含む。…

※「両替屋」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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