時の人(読み)トキノヒト

デジタル大辞泉 「時の人」の意味・読み・例文・類語

とき‐の‐ひと【時の人】

世間話題になっている人。「時の人としてマスコミに取り上げられる」
時を得て栄えている人。時めいている人。
「―ぞや。心いと善しとて、いとらうらうたくし給ふ」〈宇津保・国譲上〉
そのころの人。その時代の人。
「事に触れて歌詠み優なりければ、―異名にやさ蔵人と云ひけるを」〈盛衰記・一七〉

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精選版 日本国語大辞典 「時の人」の意味・読み・例文・類語

とき【時】 の 人(ひと)

① その時の人。その頃の人。当時の人。時人(じじん)
書紀(720)応神三年一一月(北野本訓)「則(すなは)ち阿曇連の祖大浜宿禰を遣して其の訕(さわめき)を平ぐ。因りて海人(あま)の宰(みこともち)とす。故(かれ)俗人(トキノヒト)の諺に曰はく『佐麽阿摩(さばあま)』といふは其(そ)れ是(こ)の縁(ことのもと)なり」
時流に乗って栄えている人。時を得て、権勢をふるっている人。非常に時めいている人。また、世間でうわさになっている人。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「なほその中に、藤侍従仲忠、いみじき時の人なりければ」

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