時枝村(読み)ときえだむら

日本歴史地名大系 「時枝村」の解説

時枝村
ときえだむら

[現在地名]宇佐市上時枝かみときえだ下時枝しもときえだ

たか村の西、伊呂波いろは川下流東岸の台地上に位置する。北は高家たけい村、南は猿渡さるわたり村、伊呂波川を挟んで西はしよう村。中世には高家郷の内で、宇佐宮弥勒寺寺務職時枝氏の本貫地。「宇佐郡地頭伝記」によると、天文一五年(一五四六)にそれまでの善光寺ぜんこうじ村、高村のうち西原にしばるおよび猿渡下村しもむらを合せて時枝村と名付けたという。地内には日本三善光寺の一とされる浄土宗善光寺、時枝氏累代の居城であった時枝城などがある。「大友家文書録」の綱文によると、大友宗家に反旗を翻した田原親貫は天正八年(一五八〇)鞍懸くらかけ(現豊後高田市)陥落によりひそかに「善光寺村」に逃走したものの、時枝氏によって殺害されたという。

天正一五年黒田孝高領、慶長五年(一六〇〇)中津藩領となるが、元和六年(一六二〇)中津藩主細川氏が主城を豊前小倉に移したため小倉藩領となる。その後寛永九年(一六三二)中津藩領、元禄一二年(一六九九)時枝領(旗本小笠原領)となり、同領のまま幕末に至る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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