智浄(読み)ちじょう

朝日日本歴史人物事典 「智浄」の解説

智浄

没年永禄10(1567)
生年:生年不詳
戦国時代信濃(長野県)善光寺の尼。上人号を有し,鏡空上人と号した。いわゆる「大本願上人」のなかで,その存在が史料的に確認される最初の女性である。大本願とは,堂宇修造に際して勧進活動に従事する本願尼が語源だが,その住房は次第に善光寺の塔頭に成長し,戦国期には善光寺全体を統轄する地位にあった。永禄1(1558)年,武田信玄が善光寺を戦火から守るために甲斐(山梨県)に移したのに伴って,信濃を離れ,甲府善光寺建立に尽力し,同寺で生涯を終えた。このため,甲府善光寺の開山住持ともされている。<参考文献>『甲府善光寺記録』,松平定能編『甲斐国志』,牛山佳幸「善光寺創建と善光寺信仰の発展」(『善光寺 心とかたち』)

(牛山佳幸)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「智浄」の解説

智浄 ちじょう

?-1567 戦国時代の尼僧
浄土宗。信濃(しなの)(長野県)善光寺大本願。永禄(えいろく)元年武田信玄によってひらかれた甲斐(かい)(山梨県)甲府善光寺の開山(かいさん)となる。永禄10年死去。号は鏡空上人。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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