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暗黒銀河団 あんこくぎんがだん

大辞林 第三版の解説

あんこくぎんがだん【暗黒銀河団】

鷲座のアルタイルの方向に X 線観測で発見された銀河団。距離は約九〇億光年で銀河団の中では最も遠い。可視光では観測されないため、この名称がついた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

暗黒銀河団
あんこくぎんがだん
dark cluster of galaxies

ふつうの光ではみえない銀河集団。銀河はわれわれの太陽系がある銀河のように恒星が2000億個ほど集まったものであるが、その銀河が数百個から数千個集まったものを銀河団とよぶ。1997年、理化学研究所とマックスプランク研究所(ドイツ)は、文部省(現、文部科学省)宇宙科学研究所(2003年10月より宇宙航空研究開発機構)のX線天文衛星「あすか」とドイツの天文衛星「ローサット」を使って、わし座にあるクエーサー(準星)の周辺を観測した。クエーサーの光は、その近くにある天体の強い重力の影響で重力レンズとよぶ効果によって曲げられ、地上では三つに分裂してみえる。ところが光学望遠鏡では、クエーサーと地球の間には、重力源となる天体を直接観測できなかった。研究グループはX線のデータを解析し、約90億光年離れた宇宙の彼方に銀河数百個分の質量をもつ天体を発見した。この天体は90億年前にできたことになるが、これまでの理論では銀河団の形成は約30億年前と考えられており、銀河形成の常識を破るものである。宇宙には光を発しない正体不明の物質、暗黒物質が、光でみえる天体の10倍以上の質量をもって存在している。今回発見された暗黒銀河団は、暗黒物質の候補にもなるものとして注目されている。[広瀬立成]

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