曽丹集(読み)ソタンシュウ

デジタル大辞泉 「曽丹集」の意味・読み・例文・類語

そたんしゅう〔ソタンシフ〕【曽丹集】

平安末期の私家集。1巻。曽禰好忠そねのよしただの作。毎月集百首および源順みなもとのしたごうの答歌百首などからなる。書名曽禰好忠丹後掾たんごのじょうであったところからの名。曽禰好忠集。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「曽丹集」の意味・わかりやすい解説

曽丹集
そたんしゅう

平安前期の歌人曽禰好忠(そねのよしただ)の歌集。「曽禰好忠集」または「好忠集」ともいう。現存伝本は、流布本と異本の二系統に分かれる。流布本は元禄(げんろく)8年版本、群書類従262所収本、天理図書館善本叢書(そうしょ)4所収本であり、その最古写本は天理図書館本である。これに対して歌の出入り配列、本文異同のある書陵部蔵伝為相(ためすけ)筆本や古筆切れ(曽丹集切れ)がある。流布本は、〔1〕毎月集(360首)、〔2〕好忠100首、〔3〕つらね歌13首、〔4〕源順(したごう)の答歌100首、〔5〕増補歌3首からなる。〔1〕は972年(天禄3)ごろ、〔2〕は960年(天徳4)ごろの成立といわれ、平安末期には〔1〕から〔5〕までを具備した現存形態の『好忠集』が成立していたといわれる。百首歌は好忠の創出で、四季・恋・物名歌といった主要な部立が百首という定数歌で詠まれたことが特色であり、それが評価されて恵慶(えぎょう)、源順、源重之(しげゆき)らにも詠まれ、以後多くの人が詠むようになった。

[島田良二]

『神作光一著『曽禰好忠集の研究』(1974・笠間書院)』

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