曾木の滝(読み)そぎのたき

日本歴史地名大系 「曾木の滝」の解説

曾木の滝
そぎのたき

大字宮人みやひとと曾木の間の川内せんだい川に掛かる滝。滝幅約二一〇メートル、高さ約一二メートルで、別名をすずれ滝ともいう。「三国名勝図会」は、川内川はこの辺りで広さ一〇五間三尺の大河となり、「此所に至て、大巌巨石錯綜聳峙し、河流三派に分れて、三条の大瀑布となれり」と記す。北岸の羽月はつき側を一ノ口といい、高さ五間、幅二間、瀑底の深さ三間三尺で南に向かって落ちる。真中の二ノ口は南に向かって三段に落ち、さらに北へ流れる。南岸曾木側の三ノ口は北西に向かって四間ばかりの石壇を斜に流れ落ちて水は岩間に見えなくなり、末流は観音淵となって流れ出る。二ノ口と三ノ口の交わる個所の岩上には水天の小祠が祀られ、北岸の岸上には千手観音石像を安置する円通堂があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の曾木の滝の言及

【大口盆地】より

…標高がやや高いので冬季は県下でも比較的寒冷であり,少しは雪が積もる。南西部での川内川流出口には高さ12m,幅210m,県下最大の曾木ノ滝があり,川内川流域県立自然公園の中心になっている。盆地北西1/3が大口市に属し,南東1/3が伊佐郡菱刈町である。…

【川内川】より

…九州南西部を流れる川。熊本県南部,九州山地の白髪岳(1417m)の斜面に源を発し,宮崎県北西部から鹿児島県の北部を何回も方向を転じながら西方に流れ,川内市を貫流して東シナ海に注ぐ。幹川流路延長137km,全流域面積1600km2。上流から加久藤(かくとう)(えびの),栗野,菱刈,大口,宮之城(みやのじよう)の諸盆地が発達するが,各盆地の高低差が大きいため滝や早瀬が各所にあり,また屈曲が著しいため水量は少ないがたびたびはんらんし,川内市の低地部や菱刈町の湯之尾温泉付近は水害常襲地であった。…

※「曾木の滝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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