月の都(読み)ツキノミヤコ

デジタル大辞泉 「月の都」の意味・読み・例文・類語

つき‐の‐みやこ【月の都】

月の中にあるといわれる宮殿月宮殿。また、月世界
「おのが身はこの国の人にもあらず、―の人なり」〈竹取
都の美称
「見るほどぞしばし慰むめぐりあはむ―ははるかなれども」〈須磨

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精選版 日本国語大辞典 「月の都」の意味・読み・例文・類語

つき【月】 の 都(みやこ)

(唐の玄宗皇帝が月宮殿(げっきゅうでん)に遊んだという故事から)
[一]
① 月の世界の都。月の中にあるという宮殿。月宮殿。月の宮。また、月の異称。《季・秋》
※竹取(9C末‐10C初)「をのか身は此国の人にもあらすつきの都の人也」
② 都の美しさを、たとえていう語。
源氏(1001‐14頃)須磨「みる程ぞしばしなぐさむめぐりあはん月のみやこははるかなれども」
謡曲安宅(1516頃)「月の都を、立ち出でて」
[二] 江戸吉原の遊里の異称。特に八月十五夜、九月十三夜の紋日の吉原をさしていう。月宮殿。
※雑俳・柳多留‐一一(1776)「四つ手駕月のみやこをさしてかけ」

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