有毒菌類(読み)ゆうどくきんるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「有毒菌類」の意味・わかりやすい解説

有毒菌類
ゆうどくきんるい

ヒトや家畜などに対して有毒な物質をもつ菌類をいう。広義には有毒な細菌を含めるが、狭義には有毒キノコだけをさす。通常は有毒な子嚢(しのう)菌類や担子菌類に属する菌類をいう。子嚢菌類に属するものにはコウジカビAspergillus、アオカビPenicillium、アカカビFusarium、バッカクキンClavicepus purpureaがある。これらの生産する毒素をマイコトキシンmycotoxinまたはかび毒といい、慢性・急性の中毒の原因となる。担子菌類に属する菌類は、いわゆる毒キノコとよばれるもので、テングタケの仲間(シロタマゴテングタケドクツルタケ、テングタケ、ベニテングタケなど)、ツキヨタケドクササコイッポンシメジクサウラベニタケニガクリタケカキシメジマツシメジ)、ニセクロハツシビレタケワライタケ、ドクアジロガサなどがある。

 日本で中毒例の多いキノコにはツキヨタケがあり、死亡例の多いキノコにはテングタケの仲間がある。

[曽根田正己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android