日本大百科全書(ニッポニカ) 「有田川(町)」の意味・わかりやすい解説
有田川(町)
ありだがわ
和歌山県中北部、有田郡にある町。2006年(平成18)有田郡の吉備(きび)、金屋(かなや)、清水(しみず)の3町が合併し、有田川町となる。東は紀伊山地、北は長峰山脈、南は白馬山地と三方を山で囲まれ、町のほぼ中央を有田川が蛇行しながら東から西へ流れる。JR紀勢本線(きのくに線)、国道42号、371号、424号、480号、阪和自動車道(有田インターチェンジ)、湯浅御坊道路(有田南インターチェンジ)などが通じる。町の西部を走っていた有田鉄道は2002年に廃止となった。農林業が盛んな地域で、おもにミカンなどの果樹栽培や野菜栽培が行われ、県立果樹試験場もある。国指定重要文化財に江戸中期の民家である鈴木家住宅、吉祥寺・浄教(じょうきょう)寺の大日如来(にょらい)坐像、法音寺の本堂、吉祥寺の薬師堂などがある。また明恵上人(みょうえしょうにん)の出身地で、関連する遺跡が数多くあり、うち吉原、糸野、神谷(かみたに)、筏立(いかだち)の4遺跡は明恵紀州遺跡卒都婆(そとば)の名称で指定される国の史跡群に含まれる。新春の予祝行事である杉野原の御田(おんだ)舞は国の重要無形民俗文化財。そのほか、鷲ヶ峰(わしがみね)コスモスパーク、二川(ふたがわ)ダム湖などの行楽地がある。面積351.84平方キロメートル、人口2万5258(2020)。
[編集部]