改訂新版 世界大百科事典 「有胚植物」の意味・わかりやすい解説
有胚植物 (ゆうはいしょくぶつ)
Embryophyta
配偶体上に造卵器を形成し,卵がその中で受精して新しい子ども(胚)となる植物の総称。エングラーH.G.A.Englerの設定した分類群である(1892)。受精が花粉管を通じて行われるか,花粉管なしで直接精子によって行われるかによって,有管有胚植物Embryophyta Siphonogamaeと有精有胚植物Embryophyta Zoidiogamae(無管有胚植物Embryophyta Asiphonogamae)に二分される。前者は顕花植物あるいは種子植物と同義語で,裸子植物と被子植物を含み,後者は造卵器植物と同義語で,コケ植物とシダ植物を含む。有胚植物は陸上植物,茎葉植物とも同義語である。
執筆者:西田 誠
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報