デジタル大辞泉 「朕」の意味・読み・例文・類語 ちん【朕】 [代]天子の自称。中国で、古くは一般に用いられたが、秦の始皇帝から天子のみの自称となった。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「朕」の意味・読み・例文・類語 ちん【朕】 〘 代名詞詞 〙 天子の自称。[初出の実例]「朕(チム)が位を蔭子平将門に授け奉る」(出典:将門記承徳三年点(1099))[その他の文献]〔書経‐堯典〕朕の補助注記古代中国においては一般に自称として用いられたが、秦の始皇帝のとき、天子の自称と定められた。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
普及版 字通 「朕」の読み・字形・画数・意味 朕常用漢字 10画(旧字)10画(異体字)12画 [字音] チン・ヨウ[字訓] われ・きざし[説文解字] [甲骨文] [金文] [字形] 会意正字はに作り、舟+(そう)。は両手でものを奉ずる形で、(送)はその字に従う。〔説文〕八下に「我なり」とし、また「闕」とあって、字の形義を不明としている。我は代名詞で、その字はもと鋸(のこぎり)の象。代名詞に用いるのは仮借。を代名詞に用いるのも、おそらく仮借の義。盤中のものを奉ずるのは、(おく)るためであり、(よう)の声義がの初義であろうと思われる。卜辞に王位継承の順位者を示す語として子(し)・余(よ)・我・があり、特定の身分称号であったが、それらがそのままのち、代名詞となった。金文にを一人称所有格に用い、吾・余のように複用する例がある。また金文には周初の〔(えいき)〕に「(わ)がを(あき)らかにし、(なが)く天子に臣(つか)へん」のように、代名詞以外の用法もある。「兆(ちんちよう)」のように、もののきざしの意とするのは、おそらく(ちん)字の誤用であろう。〔荘子、斉物論〕「眞宰るが(ごと)きも、特(ひと)り其の(あと)を得ず」とあり、朕兆の意である。〔周礼、序官、春官、瞽〕の〔注〕に「目(もくちん)無き、之れを瞽(こ)と謂ふ」のが、その字である。朕の本音はヨウ。古くは一人称の所有格に用いた。朕(ちん)とよんで天子の自称とするのは、秦の始皇帝にはじまる。〔史記、秦始皇紀〕に「臣等昧死して號を上(たてまつ)る。~天子自らしてと曰ふ」とみえる。[訓義]1. われ、古く一人称、所有格に用いることが多い。2. 天子一人の称、秦の始皇帝にはじまる。(ちん)の音でよむ。3. (ちん)と通じ、きざし、朕兆。4. 舟や函甲の縫目。[古辞書の訓]〔名義抄〕 ワレ 〔字鏡集〕 ワレ・キザス[声系]〔説文〕に声として(謄)・・・(勝)など十二字を収める。[語系]の本音はおそらくjingで、はの初文。dng、jing、sjingはみなその系列の音である。(よう)字条参照。[熟語]朕躬▶・朕垠▶・朕迹▶・朕蹟▶・朕兆▶[下接語]兆朕・無朕 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報 Sponserd by