朝日日本歴史人物事典 「朝原内親王」の解説
朝原内親王
生年:宝亀10(779)
平安前期の皇女。桓武天皇と異母妹酒人内親王の娘。母方の祖母,廃后井上内親王を通して聖武天皇の血統を受け継ぐ。祖母,母と同様伊勢斎宮とされ,7歳から18歳までを伊勢で過ごした。帰京後三品に叙せられ,異母兄平城天皇の妃となるが夫婦の間は冷たく,子供に恵まれないまま弘仁3(812)年34歳で妃を辞職。同8年,母に先立って亡くなった。その一周忌に当たる翌9年3月,母酒人は朝原の遺言を受けて経典1600巻,荘園約500町などを東大寺に寄進したが,その施入状からは子に先立たれた母の悲しみがうかがわれる。<参考文献>『平安遺文45号文書』
(西野悠紀子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報