朝原寺跡(読み)あさはらでらあと

日本歴史地名大系 「朝原寺跡」の解説

朝原寺跡
あさはらでらあと

[現在地名]御所市南郷

金剛こんごうよこ(九三〇メートル)南東斜面、奈良盆地を見下ろす景勝地にあった古代寺院で、付近には俗に日の石という巨石が所在する。金剛山七坊の一。「諸山縁起」には「朝鼻寺」と記し、「または谷の留。南千坊あり」とある。「和州寺社記」には「此寺の霊宝には役行者自筆の御影、伝教大師作りたまふ大黒の像、春日御作の釈迦如来、田うへ毘沙門とていにしへみづから田をうへ給ひし毘沙門の霊像あり、今に御足に土つきてあり、八王寺の社中比叡山の八王寺断絶に及びし時此所より勧請して叡山繁栄せしと也、金剛童子堂・弁才の社三十八所の鎮主あり」とみえ、江戸前期にはなおこの寺の隆盛であったことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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