木刻画(読み)もっこくが

百科事典マイペディア 「木刻画」の意味・わかりやすい解説

木刻画【もっこくが】

中国の木版画をいう。古くからあった中国の木版技術は,清代の蘇州版画に代表されるすぐれた民衆芸術を生んだが,西洋印刷術の普及とともに衰微し,代わって近代に外国版画の影響を受けた新しい木版画芸術が生まれた。その指導者は魯迅で,彼は,ヨーロッパの版画の画集を出版し,版画の講習会を開くなどして木刻運動を推進。日中戦争中,作家は奥地農村に移住し,画材画風は都会的臭みを脱し,民衆的に成長した。おもな作家に,力群古元李樺汪刃鋒などがいる。
→関連項目野夫

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の木刻画の言及

【木刻】より

…中国において,板状の木に刀でえがいた形に角ばった切れ目を入れることを木刻といい,これを利用して版画にしたものを木刻画という。木刻画の歴史は非常に古く,現在わかりうる範囲では,イギリスの探検家M.A.スタインによって敦煌の莫高窟から発見された唐代の咸通9年(868)に印刷された《金剛般若波羅蜜経》の扉絵にある説法図とされている。…

※「木刻画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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