朝日日本歴史人物事典 「木村利右衛門」の解説
木村利右衛門
生年:天保5.11.8(1834.12.8)
明治大正期の貿易商。上総国(千葉県)望陀郡の豪農松崎儀兵衛の4男。生日には異説がある。養子として鈴木家,次いで木村家を継ぐ。明治2(1869)年上京,4年横浜に移り,仲屋横浜店を開き繊維品取引で引取商としての地位を築く。13年横浜正金銀行(東京銀行)の設立に参画し取締役,24年には生糸売込業も兼ねた。25年横浜共同電燈会社(東京電力),29年横浜電線製造会社(古河電工)の社長,35年貴族院議員となる。横浜貿易商のなかでは一家言を持つ重鎮であった。著書に漢詩集『寧静詩鈔』がある。<参考文献>内海孝「幕末維新期の引取商の出自と背景」(『横浜開港資料館紀要』1号)
(内海孝)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報