20世紀日本人名事典 「木村岳風」の解説
木村 岳風
キムラ ガクフウ
大正・昭和期の吟詠家
- 生年
- 明治32(1899)年10月20日
- 没年
- 昭和27(1952)年7月1日
- 出生地
- 長野県諏訪郡上諏訪町(現・諏訪市)
- 本名
- 松木 利治
- 別名
- 号=源一岳,源八岳
- 学歴〔年〕
- 諏訪中(現・諏訪清陵高)中退
- 経歴
- 少年の頃から美声の持ち主で唱歌を好んだ。長野県の諏訪中学を3年で中退し、製糸会社・片倉組に入り、2年ほどで辞めて町役場に勤務した。のち上京して諏訪味噌、練炭販売、精麦業などを営み各種の職業を転々とした後、大正末から詩吟に専念。少年時代からの吃音を直すために長姉・まさから教わった詩吟と、役場勤務の折に先輩から指導を受けた朗吟と琵琶が、その後に吟詠家として大成する基となった。昭和2年国楽振興会を創立し、会長に堀内文次郎陸軍中将を迎え、自身は詩吟奨励部長となって全国に詩吟を広める旅を重ねた。11年日本詩吟学院を創設、独自の岳風流を起こし生涯吟道の普及に努めた。著書に「皇漢名詩の吟じ方」などがある。没後、48年諏訪市に生家を改築して木村岳風記念館が開館され、更に、平成8年新館が完成し、遺墨を始め、愛用した琵琶・バイオリンなどが展示されている。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報