木野川(読み)このがわ

日本歴史地名大系 「木野川」の解説

木野川
このがわ

県の最西端にあり、山口県との県境を流れ、山口県側では小瀬おぜ川とよばれる。流路は佐伯郡佐伯さいき町の飯山いいのやま中道なかみち虫所山むしところやま水源とし、同町の栗栖くりす津田つだ浅原あさはらを経て、大栗林おおくりばやしで大竹市に入り、玖島くじま(近世は峠川という)を合わせて小方おがた・木野・大竹を流れ、瀬戸内海に注ぐ。全長約六〇キロ。上流はカワシンジュガイ(県指定天然記念物)の生息地で、栗谷くりたにの河原には蛇喰磐じやぐいいわ(同天然記念物)が奇観を呈し、弥栄やさか峡の渓谷美をみせる。

「続日本紀」天平六年(七三四)九月一六日条に「安芸周防二国以大竹河国堺也」とある大竹河は木野川のことで、応安四年(一三七一)九州探題となった今川了俊下向の途次に記した「道ゆきぶり」に「大谷とて岸たかき山河ながれ出て見ゆ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の木野川の言及

【大竹[市]】より

…広島県西部,山口県境に位置する臨海工業都市。1954年大竹,玖波(くば),小方の3町,栗谷,友和の2村が合体,市制。人口3万2850(1995)。化学繊維,紙・パルプ,石油化学工業を中心とする大企業が小瀬(おぜ)(木野(この))川三角州の新開地に立地し,山口県岩国市と連なって広島湾岸工業地域の一角をなす。市域西部は400~600mの丘陵性山地で,そこから流れ出す小瀬川の谷口に古い市街地がある。大竹の名は《続日本紀》天平6年(734)9月16日条に初出,大滝とも書く。…

※「木野川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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