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未開交易 みかいこうえきprimitive trade

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

未開交易
みかいこうえき
primitive trade

いわゆる「未開社会」における財物の交換をいう。しかし今日では文化相対主義の隆盛とともに「未開社会」の概念は否定され,この分野も交易についての通文化的研究として展開されるようになった。交易には対内的交易と対外的交易の2種があり,前者は親族集団村落共同体といった小規模で閉鎖的な組織集団の成員間の贈物交換 (→贈答 ) や物々交換,地域市場での貨幣を媒介とした交換を意味し,後者は諸市場を中心とした開放的な流通機構で,組織的な商業遠征に伴う交易をも意味する。後者のような交易関係が発達しているところでは,媒介物としての貨幣は重要であり取引も厳密であるが,前者の場合は貨幣の意味はきわめて薄く,しばしば経済的というより社会的,宗教的な意味をもっている。また,交易に用いられる媒介物が動物,石,植物の実または加工製品であったり,あるいは媒介物をもたないでも交換可能な品物が限定されていたりする。このように交易に際して交換物の価値は多様であり,その目的も功利主義的なものとはかぎらず,名声や権威あるいは呪物の獲得の手段とされる場合も多い。

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