本宮神社(読み)ほんぐうじんじや

日本歴史地名大系 「本宮神社」の解説

本宮神社
ほんぐうじんじや

[現在地名]奈良市春日野町

御蓋みかさ山頂(浮雲峯、二八三メートル)鎮座浮雲うきぐも宮と称された。春日大社摂社。祭神武甕槌たけみかづち命・経津主ふつぬし命・天児屋根あめのこやね命。春日社の社記などによると、当社は鹿島から遷幸した春日大明神の降臨の地と伝え、「玉英記抄」暦応四年(一三四一)一月一一日条に「先御影向春日嶺、次遷座麓此事見後一条殿御記、祐康連説為後深草院勅願、被立鳥居於彼嶺、銘春日本宮、即被染宸筆云々」とみえる。春日明神臨幸は別にしても、社殿東方敷石痕跡が発見され、三輪みわ(現奈良県桜井市)と同様、古代祭祀の在り方を示すものとして注目される。なお社殿脇からは経筒・和鏡など経塚遺跡らしきものも発掘されている。中世以来、春日山上の鳴雷なるいかずち神社(現奈良市)とともに祈雨神として崇敬されていたが、「大和志」に「大和日向神社鍬靫、在所未詳、或曰、春日山頂浮雲宮即此三輪山巓亦有此祠」とあるように、当社をもって「延喜式」神名帳の添上そえかみ郡「大和日向オホヤマトヒムカイノ神社鍬靫」とする説があった。


本宮神社
ほんぐうじんじや

[現在地名]高知市本宮町

東流するかがみ川に架かる鏡川橋北詰の北方に鎮座する。祭神は事解男命・伊邪那美命・速玉男命。旧郷社。創建年代などは不詳だが、古くより杓田ひしやくだ村の産土神として信仰を集めてきた。棟札(「南路志」所収)によると永正一六年(一五一九)三月一五日秦氏親を大願主として再興されており、また永禄九年(一五六六)八月、秦氏松夜叉丸を旦那として宝殿が再興されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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