杉花村(読み)すぎはなむら

日本歴史地名大系 「杉花村」の解説

杉花村
すぎはなむら

[現在地名]上小阿仁村杉花

北流する小阿仁川中流右岸、流路が西に半円を描く台地上にあたり、仏社ぶつしや川下流左岸に位置する。正保四年(一六四七)の出羽一国絵図に杉ヶ花二〇八石とみえる。慶長八年(一六〇三)佐竹氏入部に際して蜂起した杉花弾兵衛は、当村で成長した地侍か(奥羽永慶軍記)。享保一五年(一七三〇)戸数は一九軒(六郡郡邑記)で、文化一二年(一八一五)の「秋田風土記」には二三戸とある。陸上交通は概して不便、対岸の小阿仁川沿いの集落とはもっぱら川船で連絡した。

斎藤泰蔵氏所蔵文書に「祖父仁兵衛親仁兵衛開墾出精いたし、寛政天保と両度御竿入(中略)小郷困窮之村居ニ年来心懸籾五拾三石相備 尚空地漆・桑・楮等数万本植立(中略)船場之手配宜敷取計」(上小阿仁村郷土史)とあり、困窮の小村ながら、田地を切り開き、商品作物の育成に心掛けている様がうかがえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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