材木町五遺跡(読み)ざいもくちようごいせき

日本歴史地名大系 「材木町五遺跡」の解説

材木町五遺跡
ざいもくちようごいせき

[現在地名]釧路市材木町

釧路川河口から二・二キロ上流の左岸台地に位置し、北側五〇〇メートルに緑ヶ岡みどりがおか遺跡(緑ヶ岡一遺跡)がある。標高二八メートルを頂部とする台地東側の緩斜面一帯に広がるが、すでに住宅地として造成されているため遺跡全体の範囲は把握できない。昭和五二年(一九七七)から三年間、トンネル工事に伴う発掘調査が実施された。調査面積は七六五三平方メートル。調査の結果、縄文時代早期のテンネル式土器群の時期の竪穴住居跡一七軒、土坑一二九例と擦文時代の竪穴住居跡一六軒、墓壙一例が検出された。時期的にはほかに縄文中期・後期晩期、続縄文時代・アイヌ文化期の遺物がある。出土したテンネル式土器は特徴、火山灰などとの層位関係から、帯広地域の暁式や富良野の本幸式土器などと時期的にも同一のものであることがさらに鮮明となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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