村田春郷(読み)むらた・はるさと

朝日日本歴史人物事典 「村田春郷」の解説

村田春郷

没年:明和5.9.18(1768.10.28)
生年:元文4(1739)
江戸中期の歌人。村田春道の子。初名は忠何。通称は長蔵,字は君観,号は顕義堂。家督を弟の村田春海に譲る。春海と共に賀茂真淵門で県門十二家に数えられる。古書を読み古風の歌をよくし,ことに長歌に優れていた。また蹴鞠がうまく余人追随を許さなかったという。著書に『春郷家集』(1811年序跋,清水浜臣編),『長歌集』がある。春郷の歌は単なる古歌の模倣ではなく,独自のものとして消化しており,真淵の上代主義を実作において見事に実践したと評価されている。真淵は若くして逝った秀才を惜しんでみずから墓碑の文を書いた。<参考文献>泉貴美子「村田春郷」(『文学遺跡巡礼/国学篇三』)

(飯倉洋一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「村田春郷」の解説

村田春郷 むらた-はるさと

1739-1768 江戸時代中期の歌人。
元文4年生まれ。村田春道の長男。賀茂真淵(かもの-まぶち)にまなび,県門十二家のひとり。家督を弟春海(はるみ)にゆずり,歌学に専念。蹴鞠(けまり)の名手でもあった。「村田春郷家集」がある。明和5年9月18日死去。30歳。江戸出身。初名は忠何(ただなり)。字(あざな)は君観。通称は長蔵。号は顕義堂。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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