東京丸(読み)とうきょうまる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東京丸」の意味・わかりやすい解説

東京丸
とうきょうまる

(1)政府が1874年(明治7)にアメリカから購入、翌75年に郵便汽船三菱(みつびし)会社に払い下げた外輪木船。1885年日本郵船会社に移籍。1864年アメリカのニューヨークで建造された。2217総トン、長さ89.18メートル、実馬力280馬力、速力13.5ノット。最初政府が台湾出兵に使用し、次に郵便汽船三菱会社の客船として、最後に海軍兵学校の仮校舎として使用された。旧名ニューヨーク号。(2)日本郵船会社が郵便汽船三菱会社より継承した貨客船。1885年イギリスのグラスゴーで建造された。2194総トン、長さ87.52メートル、実馬力279馬力、速力11ノット。1896年(明治29)に日本郵船が豪州航路を開始したとき、山城(やましろ)丸、近江(おうみ)丸とともに就航した。1900年(明治33)、芝罘(チーフー)から天津(てんしん)に向け航行中、濃霧のため座礁、沈没した。(3)東京タンカー会社(現新日本石油タンカー)所属、建造時点での世界最大船。1965年(昭和40)5月、石川島播磨(はりま)重工業(現IHI)横浜工場で起工、9月進水、66年1月竣工(しゅんこう)。満載排水量18万8697トン、全長306.5メートル、最高速力17.08ノット、主機タービン、連続最大出力3万馬力。乗組員31人。1981年廃船となった。また1986年に同名の東京丸(25万8000トン)が建造されている。

[茂在寅男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android