東京演劇アンサンブル(読み)とうきょうえんげきあんさんぶる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東京演劇アンサンブル」の意味・わかりやすい解説

東京演劇アンサンブル
とうきょうえんげきあんさんぶる

劇団名。1954年(昭和29)4月、俳優座付属俳優養成所三期生の入江洋佑(いりえようすけ)(1934―2019)、本郷淳(1932―2000)らと演出家熊井宏之(ひろゆき)ら15名が結成した三期会が前身で、チェホフ会の広渡常敏(ひろわたりつねとし)、塚本信夫らも参加した。旗揚げ公演はF・ウォルフの『森の野獣』で、1957年の集団創作『明日を紡ぐ娘たち』で注目され、これに前後するブレヒト劇の上演はしだいにこの劇団の旗色を鮮明にした。1967年に東京都杉並区高円寺に稽古場(けいこば)を建設、劇団名を東京演劇アンサンブルと改称した。1979年、本拠を練馬区関町北のスタジオ「ブレヒトの芝居小屋」に移して精力的にチェーホフ作品やブレヒト作品などを上演(2019年3月公演を最後に埼玉県新座市に移転)。1990年(平成2)の坂口安吾(あんご)原作『桜の森の満開の下』のニューヨーク公演を手始めに、海外公演にも積極的に取り組んでいる。

大笹吉雄

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京演劇アンサンブル」の意味・わかりやすい解説

東京演劇アンサンブル
とうきょうえんげきアンサンブル

劇団名。 1954年4月,俳優座養成所を卒業した3期生の有志が結成。初めは劇団三期会を名のったが,67年 12月現名称に改称した。早くからブレヒト作品に取組み,80年元映画スタジオを改装して設けた劇場「ブレヒトの芝居小屋」を開場,活動の拠点とする。広渡常敏演出によるブレヒト作『セチュアンの善人』,『ガリレイ生涯』,チェーホフ作『かもめ』などが代表作。岸田国士作品の連続上演も行なった。

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