日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
東京都立産業技術大学院大学
とうきょうとりつさんぎょうぎじゅつだいがくいんだいがく
Advanced Institute of Industrial Technology
産業技術者を育成する公立(東京都立)の大学院大学。英語の頭文字からAIITと略称する。東京都知事だった石原慎太郎のきもいりで、2006年(平成18)に開学。産業界で不足する高度IT技術者らを養成するため、大学や高等専門学校を終えた人だけでなく、社会人の学び直しの場とする専門職大学院である。運営は東京都公立大学法人(旧、公立大学法人首都大学東京)で、全国で二つめの公立の大学院大学である。当初、産業技術大学院大学という名称であったが、2020年(令和2)から名称に「東京都立」を冠した現名称に変更した。専攻は産業技術科のみで、事業設計工学コース(定員約20人)、情報アーキテクチャコース(約40人)、創造技術コース(約40人)の3コースがある。2年間の修士課程のみで、取得できる学位は修士号(専門職)。おもに社会人向けに入学時期を4月と10月の2度設け、2年間修了と同じ学費で2年半~3年間在学できる長期履修制度もある。本部を東京都品川区の品川シーサイド駅(東京臨海高速鉄道りんかい線)近くにおき、講義の一部は秋葉原のサテライトキャンパスでも受講可能。工作室、3D(三次元)プリンター、レーザー加工機、塗装ブースなどを完備した教育施設「東京夢工房」をもつ。地元自治体などのシンクタンク機能も果たしている。
[矢野 武 2021年10月20日]