松任郷(読み)まつとうごう

日本歴史地名大系 「松任郷」の解説

松任郷
まつとうごう

現松任市の中心部、近世の松任町一帯に比定される中世の郷で、中村なかむら庄に含まれていた。地名は明徳二年(一三九一)九月二八日付の西大寺末寺帳(極楽寺文書)に「松任 神宮寺」とみえ、冷泉為広の「越後下向日記」に「マツタウ」とある。康正二年(一四五六)の「造内裏段銭并国役引付」によると、相河弥三郎が知行する松任・成丸なりまるなどの段銭として二貫八五〇文を納めている。永正一四年(一五一七)一二月一八日の賀陽院大光明寺領目録案(田中教忠氏旧蔵文書)に「(加賀)国吉満西光寺領松任保」とみえる。天文五年(一五三六)閏一〇月四日、幕府奉行人松田対馬守盛秀は「松任内水尻名」(比定地未詳)の年貢納入の口添え本願寺証如に依頼(天文日記)、証如はこれに応じて同月一〇日に申付けている(賀州本家領謂付日記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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