日本歴史地名大系 「松崎温泉郷」の解説 松崎温泉郷まつざきおんせんきよう 静岡県:賀茂郡松崎町松崎温泉郷松崎町内の大沢(おおさわ)・松崎・岩地(いわち)・石部(いしぶ)・雲見(くもみ)の各温泉の総称。泉質は含塩化土類食塩泉・含重曹芒硝石膏泉など。泉温摂氏四六―七六度。リウマチ・創傷・慢性皮膚炎などに効能がある。「増訂豆州志稿」によると大沢温泉は湯瀬(ゆのせ)の温泉と記され槽が二あり、明和年間(一七六四―七二)初めに開掘し、年間に浴客一五〇人があった。同書には道部(みちぶ)の温泉が載り、「瀕海ノ河畔ニ在リ温度六十八度(摂氏二〇度)浴ニ堪ヘズ。満潮及供雨ノ際ハ河水泉ヲ浸ス」とある。明治一二年(一八七九)の県下温泉一覧(静岡県史)には道部村の観音(かんのん)湯をあげる。大沢温泉は戦前は旅館一軒と露天風呂一であったが、現在は旅館二軒・民宿四軒があり、春の花見、夏のアユ釣、秋のキノコ狩に人気がある。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by