松平長七郎(読み)まつだいらちょうしちろう

改訂新版 世界大百科事典 「松平長七郎」の意味・わかりやすい解説

松平長七郎 (まつだいらちょうしちろう)

江戸初期の武家一説では,駿河大納言徳川忠長の子,名は長頼,1614年(慶長19)に生まれ,61年(寛文1)に没したという。この伝によれば,忠長が大逆不道の罪をもって28歳で自刃した33年(寛永10)には長七郎20歳となり,年齢が相応しない。《幕府祚胤伝》でも父子関係疑点を示す。諸国を流浪し,武勇伝的な奇行が多く,講談や映画などに脚色されて大衆興味をひいているが,実体は不明。
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松平長七郎」の解説

松平長七郎 まつだいら-ちょうしちろう

1614-1661 江戸時代前期の武士
慶長19年生まれ。徳川忠長(ただなが)の長男とつたえられる。父の切腹後,流浪の身となり,徳川頼宣(よりのぶ)らの庇護(ひご)をうけたという。放浪中の奇行が脚色され演劇,講談,テレビドラマなどにとりあげられている。寛文元年死去。48歳。名は長頼。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「松平長七郎」の解説

松平長七郎
まつだいらちょうしちろう

歌舞伎浄瑠璃外題
初演
明治35.12(大阪・浪花座)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の松平長七郎の言及

【宇都宮釣天井事件】より

…これがいわゆる宇都宮騒動である。忠長の子松平長七郎は諸国を放浪して乱暴を働き,大坂日本橋で馬士を斬り,紀州侯の御用金を奪ったりする。この長七郎のくだりを含めて宇都宮騒動物とする。…

※「松平長七郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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