松戸河岸(読み)まつどがし

日本歴史地名大系 「松戸河岸」の解説

松戸河岸
まつどがし

[現在地名]松戸市松戸

松戸町内に置かれた江戸川左岸の河岸。上流側の平潟ひらかた河岸、下流側の納屋なや河岸(了庵河岸)に分れ、納屋河岸の下流が定船場松戸渡であった。また上流北方に接する根本ねもと村内には本多氏(のち上野沼田藩主・駿河田中藩主となる)の御用河岸本多ほんだ河岸(根本河岸)があった。河岸の成立時期は明らかではない。寛延四年(一七五一)樋口ひのくち村および小向こむかい(現東京都葛飾区)との争論で、当河岸は万治元年(一六五八)から河岸役銭を納めていると主張し(倉田家文書)、当河岸船問屋源内の天保五年(一八三四)の口上書(青木家文書)では寛永年間(一六二四―四四)から河岸役永を納めていたとしている。元禄一二年(一六九九)の松戸町の検地帳(松戸市立博物館蔵)には河岸分の屋敷地記載があり、河岸の存在を確認できる。ただし同三年の幕府廻米津出浦々河岸之道法并運賃書付(徳川禁令考)に河岸名はない。天明四年(一七八四)の松戸宿明細帳(山崎家文書)では河岸役永一一貫六五二文を上納している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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