松門名(読み)まつかどみよう

日本歴史地名大系 「松門名」の解説

松門名
まつかどみよう

松島まつしまのうちにあったと考えられる。承安四年(一一七四)一二月日付紀実俊解状案(栗栖家文書、以下同文書による)に「直川河南島久重名内松門名」とみえる。この「河南島」は「依為離島人跡希通地也」で「一方大河也、三方古川中島也」とあり、紀ノ川の河道変動で本流が北に移って、河北直川のうがわ保に接続していた地が河中に残され中島となったことがうかがわれる。

この地は同日付のもう一通の紀実俊解状案によると、実俊の先祖成実朝臣が村刀禰の時には、「為存国益、相語合壁神宮岡前等之住民、雖致耕作、依所当公事難堪」という荒廃した地であった。再開発のため実俊が「件河南島畠内松門名棄(作脱カ)作開発常荒等合伍町畠、殊為令存国益、弥致開発」として「限於永代、停止万雑公事、追年弁済段別無利弐斗税代麦」の条件で国裁を申請、「松門別名」が成立した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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