果無山脈(読み)はてなしさんみゃく

改訂新版 世界大百科事典 「果無山脈」の意味・わかりやすい解説

果無山脈 (はてなしさんみゃく)

和歌山県中部から和歌山・奈良県境にかけて,全長約30kmにわたって東西方向に続く山脈。和歌山県南部(みなべ)川上流の虎ヶ峰(790m)から東へのび,奈良県境の和田ノ森(1049m),安堵(あんど)山(1184m)を経て,十津川の峡谷部に達する。地質はおもに中生層で,和田ノ森から東では標高1000~1200mの山頂平たん面が連続しており,最高峰は安堵山の東約3kmの1262m。西流する日高川と南流する富田(とんだ)川,日置ひき)川の水源地域をなし,この山脈を境にして和歌山県側は,北の日高地方と南の牟婁(むろ)地方に分けられる。山麓斜面は多量の雨をうけて森林が繁茂している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「果無山脈」の意味・わかりやすい解説

果無山脈
はてなしさんみゃく

和歌山県南東部、奈良県との県境に沿う山脈。富田(とんだ)川が発源する和田森(わだのもり)(1025メートル)から東へ安堵山(あんどさん)(1184メートル)、冷水山(しみずやま)(1262メートル)、果無峠(990メートル)などを連ねる直線状の尾根続きで、十津(とつ)川右岸の奈良県二津野(ふたつの)ダムに下る。熊野本宮大社から北上して高野山(こうやさん)に至る果無街道(小辺路(こへち))が果無峠で山脈を横切る。『続風土記(ふどき)』にみえる果無越が山脈名の起源と思われる。西は虎(とら)ヶ峰山脈に続く。

[小池洋一]

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