和歌山県田辺(たなべ)市本宮町に鎮座。通称、本宮とよばれる。2004年(平成16)世界文化遺産に登録された。家津美御子大神(けつみみこのおおかみ)を主祭神とし、ほか13柱を祀(まつ)る。創建年代は不詳であるが、当地方の古社で、もと熊野坐(にます)神社また熊野牟須美(むすび)神社とよばれた。766年(天平神護2)神封4戸が寄せられ、859年(貞観1)従(じゅ)五位上、さらに従二位となり、『延喜式(えんぎしき)』で名神(みょうじん)大社、907年(延喜7)宇多(うだ)上皇の御幸にあたり正二位、940年(天慶3)承平(じょうへい)の乱鎮定報賽(ほうさい)のため正一位となる。早くより神仏習合して信仰され、11世紀末には熊野速玉(はやたま)大社・熊野那智(なち)大社とともに熊野三山とよばれ、本社の祭神本地は阿弥陀如来(あみだにょらい)として熊野大権現(ごんげん)ととなえられた。院政期(1086~1179)白河上皇の熊野詣(もう)で以降、上皇、女院、貴族以下の熊野信仰が盛んとなり、「蟻(あり)の熊野詣(もう)で」とよばれるに至り、さらにまた御師(おし)によりその信仰は全国に広められた。旧官幣大社。例祭は4月13日の湯登(ゆのぼり)神事に始まり、15日に神輿渡御(しんよとぎょ)祭と御田(おんだ)祭が行われる。1889年(明治22)の熊野川大洪水後に現社地に移転された。
[鎌田純一]
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
…和歌山県熊野地方にある本宮,新宮,那智の3ヵ所の神社の総称。本宮(熊野坐(くまのにます)神社)は現在熊野本宮大社と称し,東牟婁(ひがしむろ)郡本宮町に,新宮(熊野早玉神社)は現在熊野速玉大社と称し,新宮市に,那智は現在熊野那智大社と称し,東牟婁郡那智勝浦町に鎮座する。 熊野は古くから霊魂観と縁の深い土地で,早くから山岳修行者の活躍が見られた。…
※「熊野本宮大社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報
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