朝日日本歴史人物事典 「柏木小右衛門」の解説
柏木小右衛門
生年:慶長13(1608)
江戸初期の新田開発者。名は吉政,義利。先祖は信濃国佐久郡松井,与良,柏木(いずれも小諸市)などを支配する在地小領主だったが,つぎつぎに主家が滅びたため,小右衛門のときに柏木村四ツ谷に土着して帰農した。慶安3(1650)年ごろ,荒地の開発を志し,浅間山麓に発見した水源から用水路を開削して引水し御影新田村を開発した。用水路は上堰が約28km,下堰が約36kmで,両堰が合流して村に到達するまでにさらに約8kmを要する長途なものだった。この功績によって柏木家は名主の上に位置する「開発人(ないし見立人)」の称号で呼ばれ,種々の特権を与えられるようになった。<参考文献>『信濃国佐久郡御影新田村柏木家文書目録』(国立史料館)
(斎藤洋一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報