帰農(読み)きのう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本に典型的にみられる現象で,賃労働化によって都市部に流出した山村住民が,不況などの影響を受けて再び農山村に戻り,農業に従事すること。かつてこれが日本において顕著であったのは,家父長制のもとで過剰人口となった二男,三男家族主義的なつながりを残したまま口減らし的に離農することが多かったこと,また小規模農家にあっては家計を補助する目的で一時的に離農をする,いわゆる出稼ぎ農民となった者が多かったことなどによるものである。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 離村して都市へ流入した農民をその村へ帰住させ、または生業を失った武士や町人を助成して農耕に従わせること。帰田(きでん)。また、一般に都市での職務を辞して故郷に帰ること。
※財政経済史料‐九・戸口・武家・文久二年(1862)九月「所役人并身寄之者どもへ引渡帰農為致」
② 一般に、農村に戻って農業をいとなむこと。
※欧米印象記(1910)〈中村春雨〉プリンストン雑記「前大統領クリーブランドが帰農(キノウ)して閑居してゐる」

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