染河内(読み)そめごうち

日本歴史地名大系 「染河内」の解説

染河内
そめごうち

中世の地名。染河内庄・染河内村などともみえ、現一宮町の揖保いぼ川の支流染河内川流域に比定される。暦仁元年(一二三八)一二月一三日と仁治二年(一二四一)八月八日の二通の官宣旨案(ともに伏見宮家文書)によれば、承久の乱後に文章博士式家流藤原光兼の父長倫が後高倉院から播磨一宮社(伊和神社)の神領「染河内郷」を返還され、これを後高倉院法華堂に寄進し、後高倉院を本家と仰ぐ染河内庄が成立。長倫には領家として末長く子孫が領掌するようにとの宣旨が下されたという。このとき以前の康治元年(一一四二)に光兼の曾祖父陸奥守長光が播磨一宮社およびその神領を拝領して庄園が成立したが、建仁年中(一二〇一―〇四)土御門通親によって収公され、染河内は国衙領となっていた(前掲仁治二年官宣旨案)。したがって長光は改めて染河内の庄園化を図ったのである。しかしこれ以降後高倉院法華堂領染河内庄の史料はなく、その後の伝領経過は不明。

文保元年(一三一七)五月一七日の僧幸尊神田等去状(伊和神社文書)によると、染河内には往古から一宮社の神田三町五反と修理田一八町があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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