柞原庄(読み)くばらのしよう

日本歴史地名大系 「柞原庄」の解説

柞原庄
くばらのしよう

柞原町を遺称地とし、一帯に比定される。建久六年(一一九五)一二月四日の太政官符(吉川半七氏所蔵文書)に庄名がみえる。文永六年(一二六九)六月六日の左大史小槻有家が注進した官中便補地別相伝輩并由緒注文案および請文案(壬生家文書)によれば、官務家小槻氏二代の隆職が開発して仁安三年(一一六八)子孫相伝の宣旨を賜り、翌年に立券庄号した。文永六年当時は宇多源氏綾小路流の按察使有資が知行していた。正嘉元年(一二五七)四月二六日に前参議の有資より、当庄から官御祈願所へ納める長日不動法の閏月分についての供米・油などに関する申請がなされており(経俊卿記)、当庄は官中便補地のうち、太政官のための修法を行う官御祈願所領に便補された庄園であった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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