ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「格付機関」の意味・わかりやすい解説 格付機関かくづけきかんcredit rating agency 債券の元利金支払いの確実性の度合いを一定の記号を用いて公示(格付)する機関。大別すると,最高ランクの AAA(トリプルA)から最低ランクの D(シングルD)まで分かれ,A+(シングルAプラス),A(シングルAフラット),A-(シングルAマイナス)というように各ランクのなかでさらに細かく評定されている。一般に BBB(トリプルB)以上が優良,安定という評価であり,BB(ダブルB)以下の場合には,信用力が劣る,不安定という評価となる。格付制度はもともとアメリカ合衆国で発達した。日本では 1985年から証券取引法上の格付会社制度が導入され,世界の 3大格付機関とされるスタンダード・アンド・プアーズ,ムーディーズ,フィッチの各社のほか,日本格付研究所,日本インベスターズサービス,日本公社債研究所の 3機関が適格格付会社となった。2006年以降,欧米で深刻化した金融危機のなかで,金融派生商品に対する格付の信憑性への疑念が高まり,格付機関に対する規制が強化された。日本でも 2009年の金融商品取引法改正によって,適格格付制度に代わって信用格付業者制度が導入され,登録制のもとで誠実義務,情報開示義務などが課された。2012年現在の登録信用格付業者は,スタンダード・アンド・プアーズ,ムーディーズ,フィッチ,格付投資情報センター(日本インベスターズサービスと日本公社債研究所が前身),日本格付研究所の 5社。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報