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金融商品取引法 きんゆうしょうひんとりひきほう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金融商品取引法
きんゆうしょうひんとりひきほう

昭和23年法律25号。幅広い金融商品を対象に,開示制度,取扱業者への規制の枠組みを包括的に設けて,国民経済の健全な発展と投資者の保護に役立てることを目的とする法律。証券取引法を 2006年に全面改正し名称変更した。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

金融商品取引法

幅広い金融商品を対象として、投資者保護ルールの徹底、利用者利便の向上、市場機能の確保、国際化への対応を目的に制定された法律。投資サービス法とも呼ばれている。2006年6月に、従来の証券取引法を改正する形で成立・公布された。主要部分の施行は、07年7月が有力視されている。金融商品取引法は、幅広い金融商品を横断的に規制するため、従来の証券取引法と比べて、信託の受益権、抵当証券集団投資スキーム持ち分、各種デリバティブ取引などに規制対象が拡大された。特に、集団投資スキーム持ち分が規制対象とされたことから、各種の投資ファンドの募集・販売・運用などに対して、金融商品取引法に基づく開示規制、販売・勧誘規制、運用規制、登録・届け出義務が課される意義は大きい。他方、預金、保険、商品取引所法に基づく商品先物については、金融商品取引法の適用対象とはなっていない。そのほか、上場会社に対する四半期報告書内部統制報告書制度の導入(08年4月以後開始する事業年度から適用)、公開買い付け制度・大量保有報告書制度の見直し相場操縦インサイダー取引規制違反等に対する罰則強化なども盛り込まれている。

(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2007年)

金融商品取引法

幅広い金融商品を対象に、投資家保護ルールの徹底と利便性の向上や、金融市場の透明化、国際化を促す目的で制定された法律。2007年9月30日に全面施行された。それまで、金融商品を巡っては株式や投資信託などは証券取引法、商品ファンドは商品ファンド法などと別々の法律で規制していたが、証取法の名称を変え、関連法律を改正・統合して、1つの法律で横断的に規制できるようにした。従来の証取法と比べて、信託の受益権や多様なデリバティブ取引なども対象とするなど規制範囲を拡大。さらに、集団投資スキームの持ち分も規制対象に含め、これまで野放しだった投資ファンドは販売、運用会社の名称や所在地などを金融庁に登録・届け出をしなければならなくなった。大型ファンドは有価証券報告書の提出も求められる。これは、ファンドを介在させて自社株売却益を違法に売り上げに計上したなどとして、堀江貴文被告が証取法違反の罪に問われたライブドア事件の影響が大きい。金融商品ごとにばらばらだった販売や勧誘のルールも金商法により統一され、顧客の知識や経験、財産状況、投資目的に照らして不適当な勧誘をしてはならないなど、業者に厳しい投資家保護策が課せられた。金商法は1986年にスタートした「金融ビッグバン」の総仕上げとなる。政府は、個人が安心して投資できる環境を整えることで「貯蓄から投資へ」の流れが進むと期待している。

(織田一 朝日新聞記者 / 2008年)

金融商品取引法

証券取引法などこれまで複数の法律で規制されてきた金融商品の販売や投資関連サービスおよび有価証券の発行や流通に関わる法人などについて、機能が同じものには同じ規則・規制を適用し、また投資家保護のために販売、勧誘、投資助言などを包括的に規制するための法律。2006年6月に成立、07年9月30日施行された。この法律により、商品ごとに縦割りであった規制が、リスク性のある金融商品については横断的な規制となる。その他にも、企業の内部統制に関わる部分が「日本版SOX法(企業改革法)」とも言われるように、内部統制の適正化、四半期報告制度の導入、投資ファンドの規制、株式公開買い付け(TOB)制度の見直しなど、非常に多岐にわたる内容を包括的に網羅している。

(熊井泰明 証券アナリスト / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

金融商品取引法

元本割れの恐れがある有価証券や社債などの金融商品を幅広く規制する法律で、2007年9月に全面施行された。金融商品ごとにばらばらだった取引ルールを整理したほか、違法取引への罰則も強化した。金融商品を取り扱う業者には、金融庁への登録を義務づけている。

(2010-06-27 朝日新聞 朝刊 1社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

きんゆうしょうひんとりひき‐ほう〔キンユウシヤウヒンとりひきハフ〕【金融商品取引法】

証券取引法・金融先物取引法などを整理統合して、多様化する金融取引に対応し、国民経済の健全な発展と投資者の保護を目的として定められた法律。投資ファンドの特権を規制し、株式公開買付制度の見直し、大量保有報告書制度の見直し、インサイダー取引時間外取引など不公正な取引に対する罰則を強化、上場企業四半期業績の開示の義務づけなどを定める。平成18年(2006)成立。翌年施行。金商法。
[補説]平成21年(2009)の改正で、格付け会社を登録制とし、金融庁の監督下に置くことが定められた。これは、2008年の世界的金融経済危機の発端となったサブプライムローン問題で、格付け会社住宅ローン担保証券のリスクを過小評価していたことが一因とされることを受けて、欧米諸国と協調する形で実施された。同改正では他にも、利用者保護・公正で利便性の高い市場基盤の整備などの観点から、金融分野における裁判外紛争解決制度ADR)の創設、金融商品取引所商品取引所の相互参入容認などの措置が講じられた。

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百科事典マイペディアの解説

金融商品取引法【きんゆうしょうひんとりひきほう】

証券取引法金融先物取引法などを統合し,改正・改称した法律。投資サービス法ともいう。従来の法律の対象にならない新しい金融商品や,複数の法律にまたがる金融商品が登場したことを受けて,2006年6月に成立・公布された。

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株式公開用語辞典の解説

金融商品取引法

金融商品取引法とは、さまざまな金融商品について開示制度、取扱業者に係る規制を定めることなどにより、国民経済の健全な発展及び投資者の保護に資することを目指した法律です。立案段階では「投資サービス法」と呼ばれていました。従来、株券や債券など「有価証券」については、証券取引法、金融先物取引については金融先物取引法など、金融商品ごとに法律が定められいましたが、従来の枠組みに当てはまらないさまざまな金融商品や、それらを取扱う業者が登場していることなどから、幅広い金融商品を包括的に対象とする新しい法律の枠組みが求められていました。金融商品取引法は、証券取引法を母体としながら、以下の改正をおこなって成立しています。
1. 集団投資スキーム(ファンド)も含め、投資性の強い金融商品・サービスについて横断的に対象。
2. 開示制度について、公開買付制度・大量保有報告制度の見直し、四半期開示制度の整備などをおこなう。
3. 「有価証券報告書」など開示書類の虚偽記載および不公正取引などに対する罰則を強化する。

出典|株式公開支援専門会社(株)イーコンサルタント
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投資信託の用語集の解説

金融商品取引法


投資者保護の横断的な法制として、証券取引法を改組し整備された法律。平成19年9月30日施行。金融・資本市場をとりまく環境変化に対応し、金融商品によってバラバラだった法体系を横断的に一つにまとめ、投資家保護ルールを徹底させ、金融商品利用者の利便性を向上させるため、従来の証券取引法が抜本的に見直されてできた法律。平成18年6月7日に成立し、平成19年9月30日に施行された。
金融商品取引法では、株式や債券、投資信託、金融先物取引など元本が保証されていないリスク商品について横断的に共通の販売・勧誘ルールが制定されることになったが、今まで規制の対象外であった「任意組合」や「匿名組合」による投資ファンドや多様なデリバティブ取引も含まれることとなった。また、プロ向けと一般向けの商品類型に応じて、差異のある柔軟な規制である点も特徴となっている。
投資信託では、金融商品取引業に係る広告等の規制や契約締結前書面の交付義務、契約締結時の交付義務等で大きな影響を受けた。

出典|(社)投資信託協会
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会計用語キーワード辞典の解説

金融商品取引法

さまざまな金融商品について開示制度、取扱業者に係る規制を定めることなどによって、国民経済の発展や投資者の保護のために資することを目指した法律です。

出典|(株)シクミカ:運営「会計用語キーワード辞典」
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ワイジェイFX用語集の解説

金融商品取引法

金融商品取引所、及び金融商品取引(外国為替証拠金取引を含む)を規制する法律です。

出典|ワイジェイFX株式会社
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金融商品取引法
きんゆうしょうひんとりひきほう

有価証券の発行および金融商品等の取引等を公正にし、有価証券の流通を円滑にするほか、資本市場の機能の十全な発揮による金融商品等の公正な価格形成等を図り、もって国民経済の健全な発展および投資者の保護に資することを目的とする法律。企業内容等の開示の制度を整備するとともに、金融商品取引所の適切な運営を確保するため、金融商品取引業を行う者に関し必要な事項を定めている。昭和23年法律第25号。かつては証券取引法と称していたが、2006年(平成18)改正により金融商品取引法に改名。「金商法」と略称される。[戸田修三・福原紀彦]

証券取引法の改正の経緯

金融商品取引法の前身である証券取引法は、従前の証券関係の法規(取引所法、有価証券業取締法、有価証券引受業法など)による諸制度を統合し、アメリカの1933年の証券法Securities Actが定めている有価証券の発行市場における開示制度(ディスクロージャー制度)や、1934年の証券取引所法Securities and Exchange Actが定めている流通市場における継続開示制度などを取り入れ、1948年(昭和23)に制定された。ただ、当時の法制定は占領政策下においてなされたために、証券取引委員会を設置して監督権限を付与するなどアメリカの法制度を模すという性格が強かったが、1953年に始まる法改正により、証券監督権限を大蔵省(現、財務省)に移すなど日本の実情に適するように改正がなされた。
 1965年改正においては、証券業の開業を登録制から免許制にし、証券外務員制度に登録制を採用し、企業情報開示制度を充実させた。この改正の背景には、昭和30年代において多くの証券業者が経営破綻(はたん)したこと、山陽特殊製鋼事件に代表される企業不祥事・粉飾決算事例が発生したこと、が存在した。1971年改正においては、企業内容開示制度の改善合理化(仮目論見書(もくろみしょ)制度導入、有価証券届出制度の適用除外範囲の拡大、有価証券報告書提出義務の店頭登録会社への拡大、半期報告書制度、適時開示制度導入、不実の情報開示に対する損害賠償請求制度の拡充)、株式公開買付制度の導入がなされた。前者の背景には証券市場の大幅拡大、証券発行の多様化、証券発行の国際化が存在し、後者の背景には会社支配権移転取引の透明性の確保が存在する。
 1988年改正では、証券先物市場の整備(金融先物取引の導入)、企業内容開示制度の見直し(参照方式、組込方式、発行登録制度の導入、届出制度適用除外範囲の拡張)、内部者取引(インサイダー取引)規制の整備が行われた。1990年改正では、証券市場の公正・透明性を高め、投資者保護をいっそう徹底するため、上場会社や店頭登録会社の株券等の大量保有状況に関する情報開示制度(5%ルール)が導入され、また、証券市場の国際化に伴って諸外国の制度との調和を図るべく、公開買付制度が全面的に見直されるとともに、外国証券規制当局の要請に基づく調査協力について規定された。
 1980年代後半から1990年代初頭にかけてのバブル経済の崩壊により証券投資の自己責任が痛感されながら、証券会社が特定顧客に多額の損失補填(ほてん)を行うなど、一連の証券不祥事が発覚した。そこで、1991年改正では、不祥事再発防止と証券市場への信頼回復を図るべく、損失補填の禁止、取引一任勘定取引の禁止等が規定された。さらに、1992年の公正確保法(正式名称は「証券取引等の公正を確保するための証券取引法等の一部を改正する法律」)では、旧大蔵省の付属機関としての証券取引等監視委員会の設置、証券取引所・証券業協会等の自主規制機関の機能強化、証券取引に関する規制(誠実・公正の原則の明定、大量推奨販売の禁止、適合性原則の法令化)、社会的影響の大きい本法違反の犯罪に関する法人の罰金刑の引上げ(最高額3億円)、店頭市場における不公正取引の規制等を定めた。また、同年の金融制度改革関連法(「金融制度及び証券取引制度の改革のための関係法律の整備等に関する法律」)の制定に伴う証券取引法の改正により、同法上の有価証券の定義が整備され、CP(コマーシャルペーパー)、CARDs(カーズ)(外国の銀行等の貸付債券を流動化した商品)、海外CD(外国法人の発行する譲渡性預金証書)等の各種証券化関連商品が同法の適用対象となり、また、銀行等の証券子会社・信託銀行子会社、信託銀行の証券子会社、証券会社の銀行子会社・信託銀行子会社に関する規定が設けられ、金融機関・証券会社が各種の業務分野へ子会社方式で新規に参入できることが認められた。
 1994年改正法では、商法において自己株式取得規制が緩和されたことを受け、自己株券買付状況報告書制度を創設し(3か月に1度提出義務)、また、自己株式取得を決定したことを重要事実として内部者取引規制が強化された。1997年改正法では、大蔵省による証券会社等の監督機能が金融監督庁(現、金融庁)に移管され、それに伴い証券取引等監視委員会も金融監督庁の下に置かれるようになった。また、内部者取引等の罰則が強化された。1998年改正法では、証券業の参入規制を免許制から登録制に変更、金融持株会社創設、証券業の他業種への解禁、有価証券店頭デリバティブ取引・私設取引システム(PTS)の導入、取引所集中義務の撤廃、がなされた。これらは金融規制緩和の一環である。また同改正では、証券会社の顧客資産の分別管理義務の徹底、投資者保護基金制度創設、不公正取引制度に没収を導入、などがなされた。これらは、バブル経済崩壊に伴う各証券不祥事を受け、投資者保護のために創設された。2000年改正法では、金融先物取引法、資産流動化法、投資信託法の改正、金融商品販売法や消費者契約法の制定、オンラインによる企業内容開示、株式会社制度の証券取引所の許容、などがなされた。2001年には、商法において自己株式取得が原則解禁(いわゆる金庫株解禁)されるに伴い、自己株券買付状況報告書の提出を1か月に1度とした。2003年改正法では、2002年12月に公表された金融審議会第一部会報告「証券市場の改革促進」を受け、証券仲介業制度の導入(ただし、金融機関には認めない)、証券取引所の持株会社化、企業内容開示制度改正(コーポレートガバナンスに関する情報・リスクに関する情報・MD&A=経営者による財務・経営成績の分析の導入、少人数私募・プロ私募制度改正)、ラップ口座(資産運用や口座管理などに関するサービスを包括した口座)制度の導入などがなされた。2004年改正法では、2003年12月に公表された金融審議会金融分科会報告書「市場機能を中核とする金融システムに向けて」における提言を受け、投資事業有限責任組合の持分(もちぶん)を証券取引法の適用範囲内とする、私設取引システムにオークション制度導入、目論見書制度改革、虚偽記載のある開示書類による募集等・風説の流布・相場操縦・内部者取引への課徴金制度の導入、金融機関による金融仲介業への参入を許可、などがなされた。2005年改正法では、立会外取引のうち相対取引に類似する取引(たとえば、ToSTNeT(トストネット)=東京証券取引所の市場のうち立会市場外の市場など)につき公開買付制度の適用、親会社等状況報告書の導入、英語による有価証券報告書等の提出の許可、有価証券報告書等の虚偽記載についても課徴金制度導入、がなされた。また、同年に会社法が制定されたことにあわせて、証券取引法においても関連規定が改正された。[戸田修三・福原紀彦]

金融商品取引法の制定への流れ

証券取引法はその名が示すとおり、法律上列挙された有価証券の取引を規制するのみであった。しかし、このような狭い適用範囲しか有しないならば、近時の金融改革の所産として生み出されるさまざまな金融商品をカバーすることができない。そこで、証券取引法における有価証券概念の限定列挙を改め、横断的な有価証券概念を導入し、証券の組成から償還までを包括的に規制することにより、証券取引法の適用範囲を拡大することが模索された。イギリスでは1986年に制定された「金融サービス法Financial Services Act」がこのような広範な適用範囲を擁し、日本法もこれに倣って改正論議がなされた。
 この改正論議の成果の一つとして、2000年には「金融商品販売法」が制定された。これは「金融商品」に適用されるという点ではかなり横断的な法律ではあったが、金融商品の販売と勧誘の側面しかカバーしていないために包括的なルールではなかった。
 また、投資家から資金を集めて専門家が運用するスキーム、すなわち「ファンド」や「集団投資スキーム」などを用い、ラーメン屋運営や音楽販売などがなされるようになったが、やはりこのファンドについても適用されるルールがなかった。さらに、2002年前後に外国為替(かわせ)証拠金取引(FX取引)をめぐってとくに投資経験の少ない高齢者が被害にあうケースが続出した。FX取引には適用される法律もなく、監督官庁もなかったので、実効的な被害者救済策が乏しかった(なお、2004年に金融先物取引法が改正され、これに対する対応はできあがった)。このような諸問題が発生したため、日本版の金融サービス法制定の機運がますます高まった。
 具体的な審議は、金融審議会金融分科会第一部会で行われた。2005年10月に「中間整理」が公表され、ここでは「適正な利用者保護を図ることにより、市場機能を十分に発揮しうる公正・効率・透明な金融システムの構築を目的として、証券取引法を改組し、投資サービス法を制定することが適当である」とされていた。その後の審理を経て、2005年12月に「投資サービス法に向けて」と称される報告書が公表された。この報告書を受けて、2006年3月に「証券取引法その他の法律の改正案」が提出され、6月7日に「証券取引法等の一部を改正する法律」が成立、6月14日に公布された(平成18年法律第65号、66号)。これにより、証券取引法は現在の金融商品取引法に改名された。[戸田修三・福原紀彦]

金融商品取引法の特色

同法の特色は以下のようにまとめられる。
(1)横断的・包括的規制 前記のとおり、従来証券取引法の適用対象としてこなかった、集団投資スキームなどにも規制範囲を及ぼしている。
(2)プロ・アマ区分 投資のプロである特定投資家と投資のアマチュアである一般投資家を分け、プロ向けの規制を緩和する。とくに、特定投資家は投資判断を自分自身で十分になしうることが想定されているので、特定投資家に対して法律が投資家保護策を用意する必要性が少ないからである。
(3)その他 投資サービス法制定審議において生じたさまざまな改正項目が反映されている。公開買付・大量保有報告書制度改正、内部統制報告書制度(いわゆる日本版SOX(ソックス)法)、四半期報告書の法文化、などである。[戸田修三・福原紀彦]
『小谷融著『図解 実務がわかる金融商品取引法の基本知識』改訂版(2007・税務経理協会) ▽平下美帆著『実務のための金融商品取引法』(2007・民事法研究会) ▽日野正晴著『詳解 金融商品取引法』(2008・中央経済社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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