日本歴史地名大系 「桑原郡」の解説
桑原郡
くわはらぐん
- 鹿児島県:大隅国
- 桑原郡
大隅国の北部を占めた郡で、八世紀前半に
〔古代〕
大隅国は和銅六年(七一三)四月に日向国の荒、野心未習憲法、因移豊前国民二百戸、令相勧導也」とあるように、大隅国では建国の翌年、隼人勧導のため豊前国よりの移民があった。豊前国民の移住先はのちの「和名抄」などで確認される郷名から推測して大半が当郡域であったと思われる(一部は贈於郡の可能性もある)。当郡はこの移住時点か、やや遅れて贈於郡域から分置された可能性が大きい。なお「和名抄」によると当郡は国府所在郡でもあり、当郡の建郡は大隅国の成立と深く関連づけて考えねばならない。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報