桑名邸遺跡(読み)くわなやしきいせき

日本歴史地名大系 「桑名邸遺跡」の解説

桑名邸遺跡
くわなやしきいせき

[現在地名]天栄村大里 桑名邸

竜田たつた川南岸の段丘上に立地する縄文時代中期を中心とする集落跡。矢吹やぶき地区の国営総合農地開発事業に伴い、昭和六三年(一九八八)、平成元年(一九八九)の二ヵ年にわたり、遺跡の北縁から東端にかけて調査された。発見された三九軒の竪穴住居跡の時期は、不明一軒を除き、縄文時代中期二六軒、早期末葉―前期初頭六軒、前期前葉―中葉三軒、古墳時代三軒である。縄文時代中期では大木7―8式期の前半期一三軒と、大木9―10式期の後半期一三軒とに区分され、その分布前者では一画に集中、後者は調査区全域に拡散する傾向にある。おそらく大木9―10式期には、西側に隣接する深沢ふかさわA遺跡でも同時期の竪穴住居跡五軒が発見されており、遺跡内の未調査の範囲全域に集落が拡大していたと推定される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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