梅盛(読み)ばいせい

改訂新版 世界大百科事典 「梅盛」の意味・わかりやすい解説

梅盛 (ばいせい)
生没年:1619-1702?(元和5-元禄15?)

江戸前期の俳人。姓は高瀬たかのせ),通称太郎兵衛。別号は佗心子(たしんし)。京都の人。初め貞室,重頼に従い,のち貞徳直門となる。貞門七俳仙の一人。温厚篤実な人柄で生涯師風を守り,流行に従わず,1692年(元禄5)刊《貞徳永代記》の著者から〈今京中点者の中の第一の老俳〉だが〈俳諧一道の毒にも薬にもならず〉と評された。著書に《類船(るいせん)集》など。〈月の貌(かほ)やふけてもわかし十八夜〉(《玉海集》)。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「梅盛」の意味・わかりやすい解説

梅盛
ばいせい

生没年未詳。江戸前期の俳人、狂歌師。高瀬氏。通称は太郎兵衛。別に佗心子(たしんし)と号し、剃髪(ていはつ)後は宗入居士(こじ)を名のった。京都の人。貞徳(ていとく)門で七俳仙の1人。『貞徳永代記』(随流(ずいりゅう)著、1692刊)に「生まれつき律俳にして古風を捨てず、世間天地をかへし物に狂へども少しもさはがず」と評されたごとく、談林(だんりん)の流行や蕉風(しょうふう)の勃興(ぼっこう)にかかわりなく貞門風を押し通し、その円満篤実な人柄で俳壇に勢力を占めた。1701~02年(元禄14~15)ごろ没、享年八十余と推定される。編著は『口真似草(くちまねぐさ)』(1656刊)、『類船(るいせん)集』(1676刊)など数多い。

 乙女草やしばしとゞめん霜おほひ
[乾 裕幸]

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世界大百科事典(旧版)内の梅盛の言及

【類船集】より

…俳諧付合(つけあい)語集。梅盛(ばいせい)著。1676年(延宝4)刊。…

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