梶峰城跡(読み)かじみねじようあと

日本歴史地名大系 「梶峰城跡」の解説

梶峰城跡
かじみねじようあと

[現在地名]多久市多久町字宮城

多久市の南、標高二〇七メートルの梶峰山上にあった山城。多久城ともいう。「肥前国誌」に「多久村南端ニ聳ユル亀山・鶴山ノ間ニ在リ。東ヲ雌城・西ヲ雄城ト云ヒ、城ノ周囲廿五町余」とあって、本城を加えて三城となるが二つの支城については記録がない。その外観を「水江事略」は「梶峰ノ城タル山険岨ニシテ湟幾重ト云事ヲシラス。曲折ナル細道繞リ廻テ登ル事十余町」と記している。

築城は建久四年(一一九三)、多久太郎宗直によると伝えられる。「丹邱邑誌」に「源頼朝、摂州多久ノ住人、多久太郎宗直軍功アルヲ以テ、日本国中ニ多久ト云処三ケ所アルヲ以テ、采地ニ賜リ、肥前ノ多久ノ地最広シ、仍テ肥前ニ下リ」とあり、現南多久町下多久の延寿えんじゆ寺が所有する多久家系図(明治期写)によれば、「所領十二万石の地頭として、建久二年年二十五にして嫡男宗益以下三百人を率いて下向し」とあるが、実際にその支配の規模・身分を明らかにする史料はない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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