森林原則声明(読み)しんりんげんそくせいめい(英語表記)Nonlegally binding authoritative statement of principles for a global consensus on the management,conservation and sustainable development of all types of forests

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「森林原則声明」の意味・わかりやすい解説

森林原則声明
しんりんげんそくせいめい
Nonlegally binding authoritative statement of principles for a global consensus on the management,conservation and sustainable development of all types of forests

1992年6月ブラジルのリオデジャネイロにおいて開催された環境と開発に関する国連会議 UNCEDで採択された森林の保護・育成に関する声明。正式名称は「すべての種類の森林の経営,保全および持続可能な開発に関する世界的合意のための法的拘束力のない権威ある原則声明」。森林問題の社会経済上の位置付け,持続可能な経営などを規定した前文と,森林に関する主権と持続可能な経営の責任,国際的関心と国際協力,林産物貿易とその使用,世界の緑化,木材価格への環境費用の算入,資金・技術移転などの 15の原則から構成される。 UNCEDの準備過程において,発展途上国が森林に関して法的拘束力のある条約を策定することに強く反発したため,合意文書として決着した。

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世界大百科事典(旧版)内の森林原則声明の言及

【国連環境開発会議】より

…これは環境問題が他の諸問題と深くリンクしていることを示すものだが,とりわけ,従来相反するものとして考えられ,先進国と開発途上国の対立のもとともなっていた環境と開発とについて,それはむしろ互いに依存するものであり,環境を保全してこそ将来にわたる開発が可能となるという主張(持続可能な開発)を説得的に打ち出すものであった。 地球サミットは,この考え方をキー概念として,〈環境と開発に関するリオ・デ・ジャネイロ宣言(リオ宣言)〉,その具体的な行動計画たる〈アジェンダ21〉,また〈森林原則声明〉を採択したほか,地球温暖化防止条約(気候変動枠組条約),生物多様性条約の調印がこの会議でなされた。 リオ宣言は持続可能な開発を実現する諸原則を規定しているが,特徴的なのは,その実現に向けてすべての主体の参加と情報公開がうたわれ(第10原則),女性,青年,先住民,抑圧下の人間等,各主体の関与,役割を明らかにしている点(第20~23原則),また,〈共通だが差異のある原則〉(第7原則)という考え方を打ち出している点である。…

※「森林原則声明」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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