改訂新版 世界大百科事典 「森林計画」の意味・わかりやすい解説
森林計画 (しんりんけいかく)
森林法(1951公布)にもとづき,農林水産大臣および都道府県知事が森林を自然的災害および火事,汚染や開発などの社会的災害から守り,その機能を発揮させるために国家的見地から定める計画をいう。こうした計画ができた背景には,〈林業計画の編成とその遂行の責任は中央政府が負わなければならない〉という1950年のGHQ〈森林組合改組に関するステートメント〉(〈森林組合〉の項参照)の考え方がある。現行の森林計画は全国森林計画(林業基本法にもとづき政府が作成する森林資源に関する基本計画および林産物需給の長期見通しをもとに,農水大臣がたてる。15年を1期として5年ごとに作成)と地域森林計画(都道府県知事が全国森林計画に即してたてる。10年を1期として5年ごとに作成)とに分かれる。また森林計画を達成するための担保措置として,個別の森林所有者が任意に施業計画を樹立し,農水大臣または都道府県知事の認定を受けて実施する森林施業計画がある。
執筆者:筒井 迪夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報