普及版 字通 「椀(漢字)」の読み・字形・画数・意味
10画
(異体字)椀
人名用漢字 12画
[字訓] はち
[説文解字]
[金文]
[その他]
[字形] 形声
声符は(えん)。は人が坐して、ひざをまるくしている形。そのまるくふくよかな形のものをいう。材質によって・椀・・鋺・碗というが、みなはち形のもの。殷・周の青銅器に盂(う)というものがあり、儀礼の際に用いるが、于(う)もゆるくまがるものの意で、盂は深い鉢の形。みな命名の法が似ている。
[訓義]
1. わん、はち。大なるものを盂という。
2. 字はまた椀・に作る。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕椀 万利(まり)〔和名抄〕鋺 日本靈異記に云ふ、其のは皆鋺なりと。俗に加奈万利(かなまり)と云ふ。今案ずるに、鋺の字未だ詳らかならず。古語に椀を謂ひて末利(まり)と爲す。宜しく金椀の二字を用ふべし/ 辨色立に云ふ、末利(まり)。俗に毛比(もひ)と云ふ 〔名義抄〕 マリ・モヒ/椀 イホテ・コロモハリ・マリ・モヒ
[語系]
・椀・・uanは同声。(わん)は椀のような形に器を刳(えぐ)り削って作ることをいう。uyanや、またnguanも、そのように削りとることをいう。は〔段注〕四下に「抉(えぐ)りて之れを取るなり」とする。・宛iuanと于hiua、・紆iuaと声義近く、ゆるくめぐるようなさまをいう語である。
[熟語]
子▶・唇▶・遂▶・脱▶・注▶
[下接語]
瓦・玉・金・銀・漆・酒・茶・斗・白・浮・覆・
椀
人名用漢字 12画
(異体字)
10画
[字訓] はち
[字形] 形声
声符は宛(えん)。宛は人が中に坐する形で、ひざのまるくふくよかな形から、そのような状態のものをいう。中国では古くの字を用い、わが国では多く椀を用いる。陶器のものには碗、金属製のものには鋺を用いる。は皿形の形状よりいい、椀は木製のものをいう。これらの字の古訓については、字条参照。
[訓義]
1. わん、木のわん。
2. はち、小ばち。
[熟語]
椀盂▶・椀花▶・椀器▶・椀▶・椀珠▶・椀脱▶・椀▶
[下接語]
玉椀・香椀・漆椀・汁椀・茶碗・籌椀・斗椀・灯椀・熱椀・氷椀・捧椀・鏤椀
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報