椿峠(読み)つばきとうげ

日本歴史地名大系 「椿峠」の解説

椿峠
つばきとうげ

坂尻さかじり佐柿さがきの境にあり、標高六〇メートル。御岳おたけ山から北西に延びる山系若狭湾に突き出た天王てんのう山の山裾とが接合して低く連なる地で、山系は越前方面から若狭への進攻に対する天然の要害をなしていた。将軍足利義詮の執事細川清氏は佐々木道誉らに陥れられ、康安元年(一三六一)辞して領国若狭へ下った。同年一〇月尾張氏頼らは清氏討伐のため若狭へ向かったが、「太平記」巻三六の「頓宮心替事畠山道誓事」は「去程ニ尾張左衛門佐氏頼、討手ノ大将ヲ承テ、北陸道ノ勢三千余騎ヲ卒シテ越前ヨリ椿峠ヘ向フ」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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