楞厳三昧院跡(読み)りようごんざんまいいんあと

日本歴史地名大系 「楞厳三昧院跡」の解説

楞厳三昧院跡
りようごんざんまいいんあと

[現在地名]大津市坂本本町

現存しない。位置は「山門堂舎記」に「砂碓堂の東北地上にあり」とあるが、正確な堂跡は定かではない。同書によると、当院は七間の講堂、五間の法華堂と常行じようぎよう堂の三堂から構成され、藤原師輔により天暦八年(九五四)に創建された。師輔は国家の隆盛と藤原氏一族の繁栄を願い、同年まず法華三昧堂を建立し良源に付属(慈恵大僧正伝)、応和二年(九六二)には藤原伊尹の奏状で僧六名を常置、公税に加え近江や美濃国の稲八千束が三昧料として付された(山門堂舎記)。康保五年(九六八)正月には楞厳院に十禅師と年分度者三人を置くことが定められ、法華堂僧を一二口とし、常行三昧堂に新たに一四口の僧を置くべき官符が下っているので(同書)常行三昧堂は法華堂より少し遅れて建立されたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android